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一乗谷朝倉氏遺跡博物館 基本展示室 中世の町を実際に歩いてみよう
2024年06月15日

福井マネーの塊のようなスーパーリッチな一乗谷朝倉氏遺跡博物館。
前回は1階ロビーと遺構展示室を見てきました。
今回は2階の基本展示室を見ていきます。
こちらのコンセプトは「出土品」。
朝倉氏遺跡から出てきた遺物をどっさり見られます。

大量の陶磁器どどーん!
地元産の越前焼はもちろん、瀬戸や美濃の焼き物も豊富にあり、さらに中国産や朝鮮産、果てはタイのものまで出ているんだとか。
これは他地域と活発に交易を行い、全国の様々な産品が流入していたことを物語っています。
実際賑わっていたらしいですよ、一乗谷。
わざわざ京から公家たちが見物に来てたくらいですからね。
応仁の乱でボロボロだった京都より、治安の安定したこちらの方がはるかに居心地が良かったのでしょう。

井戸枠。
笏谷石(しゃくだにいし)という、福井産の凝灰岩で作られています。
後で朝倉氏遺跡を見てもらえば分かるんですが、ここの住居跡にはほぼ全てに井戸が備えられています。
これは中世の時代においては画期的な事で、いわば日本最先端の水利インフラを備えた都市と言えました。
いかに一乗谷の生活水準が高かったかを物語る一例です。

笏谷石の石灯籠。
竿部分上部に石仏、その下に「三界万霊七世父母等」の文字。
「三界」とは迷いに捕らわれた3つの世界、「万霊」とは全ての魂、「七世」とは先祖代々、「父母」はそのまんま。
まとめると「迷いの世界にさまようはるか先代より続くすべての魂」みたいな意味。
その上に仏さまが乗っかることで、「それらの魂を残らず救う」という事を暗示しているようです。
中世は阿弥陀さまが全てを救うという浄土信仰が盛んでしたからね。
そんな当時の宗教観の反映なのでしょう。

石仏。
左が菩薩像、右がお地蔵さま。
石は凝灰岩ですね。
多分これも笏谷石でしょう。
欠損しまくってるのが少々残念ですが、でもそれが逆に魅惑的。
どんな姿になっても衆生を救おうとする仏さまの強い意思を見るようで、不思議なありがたさを感じます。

(複製ですが)朝倉氏の肖像画。
左が初代の孝景(たかかげ)、右が5代目の義景(よしかげ)。
朝倉氏の当主が描かれた肖像画はこの2幅だけなんだとか。
シブイね。
どんな人物だったんだろう、孝景&義景。
画を見る限り、すっげー気難しそうだな~。

毛氈鞍覆(もうせんくらおおい)と白傘袋(しろかさぶくろ)。
馬にかけられている赤い鞍が毛氈鞍覆で、棒の先っちょに付けられてる白い布が白傘袋です。
これらのアイテム、足利将軍の許しがないと勝手に使っちゃいけないものなんだそうで。
要は権威の象徴。
この赤と白を引っ張って歩くことで、「朝倉家スゲー」って事を内外に示す事ができたのです。

最後に一乗谷の再現ジオラマ。
まるで見て来たかのように、精巧~に作られています。
クオリティ高いな。
どんだけ手間掛けて作ったのよ?
まるで本物の風景を見ているみたい。
これ作った職人さん、もうほとんど神の領域ですわ。

さらにこのジオラマ、隠れた仕掛けが用意されています。
それがこのタッチパネル。
これを操作することで、なんと住人目線で内部を散策できるのです。
ちょうどgoogleのストリートビューのような感覚で、ジオラマ内をトコトコ歩けます。
楽しいよ、コレ。
まるで中に飛び込んで本当に歩いているような不思議な感じ。
なかなかに感動的なシステムです。

様々な出土品が豊富に見られる一乗谷朝倉氏遺跡博物館の基本展示室。
歴史好きには胸わくわくの場所です。
どうぞ当時の空気や息遣いみたいなのを思いっ切り体感してみてください。
特にジオラマ散歩はオススメですよ!
次回はさらにこの奥にある朝倉館原寸再現を見ていきます。
今度は画面上じゃなく自分の足と目で見学できる生体験。
これまた感動的ですよ!